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ゲーム依存かも?保護者が知っておきたい診断基準と家庭サポート

目次

はじめに

2019年に世界保健機関(WHO)は「ゲーム障害」を正式な病気として認めましたが、これはただ「ゲームをやりすぎている」だけのことではありません。

どんな状態が「ゲーム障害」と呼ばれるの?

ゲーム障害と診断される主な特徴は次の3つです

  1. やめようと思ってもやめられない
    • 「今日は30分だけ」と決めても長く続けてしまう
    • 食事や睡眠も忘れてしまうことがある
  2. 毎日の大事なことよりもゲームを優先してしまう
    • 勉強や家族との時間よりゲーム
    • お友達や部活などに興味を持てなくなる
  3. 注意されてもやめられず、問題が悪化していく
    • 成績が下がっても、家族とケンカになってもやめられない

これらが1年以上続き、生活や家族関係に大きな影響が出ている場合は要注意です。

発達障害の傾向があるお子さんは特に注意

  • ADHD(注意欠如・多動症)のお子さんは、早く結果が出せるゲームにはまりやすい傾向があります。
  • ASD(自閉スペクトラム症)の場合、分かりやすいルールや一人でできることへの安心感から深くのめり込むことがあります。

家庭でできる3ステップ対策

ステップ1:まずは現状をよく知り、環境を整える

  • 「ゲームを取り上げればこの子は何をする?」と自分に質問してみてください。他に楽しく過ごせることが少ないと、ますますゲームに依存しがちです。
  • 機器を隠す・Wi-Fiを切るだけの対策は逆効果になりやすいです。
  • どうしてもやめられない場合は、まず終了時間を決める、「夜はゲームオフ」などのルールを家族で話し合ってみましょう。

ステップ2:ゲーム以外の楽しい活動を見つける

  • リアルな趣味(料理、お絵描き、カードゲームなど)を一緒に探しましょう。
  • 家族での会話や行動(週末に一緒に外出や映画、簡単な料理など)を増やす工夫をしてみてください。
  • 勉強をいきなり代わりにさせるのは難しいので、まずはお子さんが「楽しめそう」と思えることから始めるのがコツです。

ステップ3:長い目で信頼関係を築く

  • 無理にルールを押し付けず、「なぜそのゲームが好きなの?」などお子さんの気もちを聞いてみましょう
  • 「ゲームも楽しいよね」と受け止める姿勢を見せることで、お子さんが本音を話しやすくなります。
  • ルールは口約束でなく、紙に書いて貼ると効果的です。
  • 頑張れた日は小さなご褒美やボーナスルールを用意するのも◎

専門家に相談すべきサイン

  • 朝起きられない学校に行けなくなる暴言・暴力が目立つ引きこもるなど生活が大きく乱れてきたときは、無理に抱え込まず専門機関や医療機関に相談しましょう。

よくある質問(Q&A)

Q1. ゲームの時間を減らしてほしいけど、どう伝えればいいですか?

A.
まずは、「どうしてそんなにゲームをやりたいの?」と、お子さんの気持ちを聞いてみてください。ただ「やめなさい」と言うと反発しやすいですが、「どんなゲームが好きなの?」「どこがおもしろい?」などと関心を示すと、対話のきっかけができやすくなります。そのうえで、「夜は家族の時間にしようね」など、みんなで守れるルールを一緒に考えてみましょう。

Q2. ルールを決めても守れません。どうしたらいいですか?

A.
ルールが守れない場合は、「なぜ守るのが難しいのか?」を一緒に考えてみましょう。例えば、「ついつい忘れちゃう」「あと5分がやめられない」など理由があるかもしれません。紙に書いて部屋に貼ったり、ごほうび制や「できた日には週末は少し多めにしていい」など、柔軟に調整してみてください。

Q3. 取り上げても隠れてやったり、親に暴言を言うようになりました…

A.
機器を取り上げる、Wi-Fiを切るなど“力でやめさせる”方法は、逆に反発やストレスを強めてしまうことがあります。どうしてもつらいときは、「一緒に家族で相談できる人(医療機関や専門家)」を見つけるのも大切です。子どもに「困ったら相談していいんだよ」と伝えることも、回復への一歩です。

Q4. うちの子は発達障害があるのですが、どう対応したらよいですか?

A.
発達障害のあるお子さんは「ルールや決まり」が得意な一方で、「急な変化」が苦手な場合が多いです。ルールを急に厳しくするのではなく、事前に説明したり、イラストやタイマーを使ったりすると効果的です。一人ひとりの特性に合わせて取り組みましょう。必要であれば、療育や発達相談の専門家に相談すると、よりよい対応が見つかります。

Q5. ゲーム以外に夢中になれるものが特にありません…

A.
ゲーム以外の楽しみは、すぐには見つからないことも多いです。お子さんの「ちょっとやってみたい」「嫌じゃないこと」を少しずつ一緒に試してみましょう。小さい成功体験(「家族で映画を観る」「散歩でおやつを買う」など)を積み重ねていくと、ゲーム以外でも「楽しい」「安心できる」と感じやすくなります。

まとめ

ゲーム依存は「甘え」ではありません。特に発達障害のあるお子さんの場合、「ほかの居場所や楽しみ、安心できる環境」がみつけられず孤立してしまうことが原因になりがちです。

大切なのは“なぜ”ゲームだけに集中してしまうのか、その背景や心のサインに寄り添うこと。まずは「楽しめる現実の体験」「家族とのつながり」を増やすことから始めてみてください。

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