はじめに
「うちの子、もしかしてほかの子とどこか違う気がする…?」
そんな“不安”や“疑問”を抱く保護者は決して少なくありません。現場で寄せられる多くのご家庭の悩みや不安をもとに、実際に役立つヒントをまとめました。
なぜ早期発見が大切なのか
- 乳幼児期は脳がもっとも柔軟(可塑性が高い)時期です。
このタイミングで支援が始まることで、社会性やコミュニケーション力の伸びに大きな差が出ることもあります。 - 早めのサポートは学習や友人関係など「次に起こり得る困りごと(二次的な問題)」の予防にもつながります。
発達障がいの「早期サイン」を知る
下表は、月齢・年齢ごとの「発達の目安」と気になる特徴をまとめたものです。
月齢・年齢 | 発達の目安例 | 気になる特徴 |
---|---|---|
0-6か月 | 人の声や顔に反応、笑顔を見せる | 声かけに反応しない、目が合いにくい、笑顔が少ない |
6-12か月 | 名を呼ぶと振り向く、人見知りが出始める | 呼んでも反応が薄い、人への興味が乏しい、表情が乏しい |
12-18か月 | 意味のある単語を話す、指さしで興味を引く、大人の真似をする | パパ、ママよりもキャラクターの名前を先に覚える、指さしや真似をしない |
18-24か月 | 2語文(例:ママ来た)、他の子に興味が出る、順番を待てる | 言葉が少ない、他の子と遊ばない、同じ行動を繰り返す |
2〜3歳 | 友達の近くで遊ぶ、大人の質問を理解して答える | 友達に興味を示さない、大人の問いに的外れな答え、一方的に話す |
3〜4歳 | ごっこ遊びで役割交代できる、ルールのある集団遊びができる | ごっこ遊びをしない(再現遊びだけ)、一人で遊ぶのを好む |
こうしたサインが複数当てはまる場合や、家庭で様々工夫しても大きな変化が見られない場合は、まず“相談してみる”ことをおすすめします。
迷ったとき、どこに相談したらいい?
1. 市区町村の相談窓口
- 保健センター
乳幼児健診や発達相談に対応。困りごとがあればまず連絡を。 - 子育て支援センター
日常の育児や発達の悩みに幅広く応えてくれます。
2. 都道府県の相談窓口
「保健師さんに『様子を見ましょう』と言われたけれど、それでも不安が拭えない…」
そんな時は、お住まいの都道府県が運営する発達障害者支援センターを利用できます。18歳未満の子どもやご家族向けの相談も可能です。
- 国が運営している発達障害ナビポータルの情報検索ツール「ココみて(KOKOMITE)」では、全国の発達障害者支援センターもご案内しています。
3. 地域・全国の親の会
経験者のリアルな声を聞ける場として親の会も貴重な存在です。保護者同士でつながり、孤立感から解放されるきっかけにもなります。
相談のメリット
- 専門家により「これからどう見守るのがよいか」明確なアドバイスが得られます
- 必要に応じて、発達検査や療育施設の紹介など、具体的な支援につながります
- 家庭ですぐに試せるヒントや情報も得られ、不安や孤立が軽くなります
家庭でできる「小さな一歩」
- 名前を呼ぶ・指さし・ジェスチャーなど、目と耳と体を使った声かけを意識
- 「できた!」ことはその都度きちんと褒めて自信につなげましょう(ハイタッチ、抱っこなどもOK)
- かんしゃくや不安が強い時は、まず「そうだったんだね」と寄り添う声がけを
子どものペースに合わせた小さな工夫が、親子で過ごす毎日の安心につながります。
よくある質問Q&A
Q. 診断されたら一生ラベルが貼られるの?
A. 診断は「お子さんの特徴をよりよく知るためのもの」。必要な支援や理解を得るための道具として活用しましょう。
Q. 兄弟や家族への対応は?
A. 「平等に接しなきゃ」と思いすぎず、「みんな違っていい」と考えて。それぞれの得意・不得意を認め合うことも大切です。
Q. 市販教材やネットサービスは意味がある?
A. 市販教材やネットのサービスは魅力的ですが、まずは公的な療育サービスで専門家のアドバイスを受けるのが安心です。その後で、お子さんに合うものを慎重に選んでいくと失敗もしにくくなります。“まずは公的な支援、次に市販教材やネットサービス”が安心の流れです。
まとめ
お子さんの発達は一人ひとり異なります。「もしかして…」と感じた時こそ、安心できる選択や新たな一歩を踏み出すチャンス。早めの相談・支援が、お子さんとご家族の安心と可能性を大きく広げてくれるはずです。
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